行動選択課題を遂行しているラットの前頭前野、およびその他広範な領域からの多細胞同時活動記録実験、および、前頭前野において、単一神経細胞記録・標識法を用いて、行動の適切な発現に関わると考えられる活動を示す細胞の形態学的・組織化学的特徴を調べる実験を行った。その結果、①行動の適切な発現のために、特に前頭前野の背内側部が重要な役割を果たしていること、②主に3,5層に存在する錐体細胞が主要な役割を果たしていること、③主に線条体に投射を送っていることなどが明らかになった。これらの結果は、前頭前野―線条体をむすぶ神経経路が、適切な行動の発現に重要な役割を果たしていることを強く示唆するものである。
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