本研究は、ミクロな地域研究の視座からアフリカで最も紛争が長期化したアンゴラ農村社会に焦点を当て、地域住民が歴史的に構築してきた社会経済的諸活動を明らかにした。これによって、紛争後のアフリカ農村社会で内生する社会統合の様態をより具体的かつ多角的に考察した。アンゴラの農村社会は紛争後16年が経過してもなお帰還民らが社会関係を構築しがたい状況にあった。その原因として紛争中に多くの農村が長期にわたり縮小や消滅を経験したことが指摘された。ここでの生計活動は、人道支援を活用して脆弱な社会関係を補完することが特徴であった。以上について国内外の学会、論文や書籍としてまとめ成果公開をおこなった。
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