1、研究目的【近代仏教学におけるプラットフォーム】に沿い、平成28年度に引き続き大正大学図書館において「学事資料」の調査・閲覧・複写(デジタル化)をおこなった。主な対象は「伝道学」関連資料【継続】である。分析をおこない、その成果を三浦周「戦時下に伝道学と標準語‐中野隆元を中心として‐」(『佛教文化学会紀要』26号2017)にまとめた。 2、研究目的【超宗派組織】による国際交流に沿い、歴史公文書の調査・閲覧、大正大学図書館において「学事資料」の調査・閲覧・複写(デジタル化)をおこなった。主な対象は①「中国人留学生釈墨禅」関連資料【新規】、②「仏教青年会」関連資料【新規】である。①については予備調査で判明した事実(武昌佛学院卒・対支文化事業の助成をうけた選抜留学生)に加え、在学時の成績表や保証人等の資料を確認した。だが、関連資料の不足もあり帰国後の活動は不明である。ただ、関連資料調査中に入手した沈雲龍主編『近代中國史料叢刊』第九十二輯『太虚大師寰游記』の編者に釈墨禅の名を確認している。②については、資料群中、特に「学生諸機関調」を中心とし、「青年」概念の変容を踏まえ、如何に仏教青年会が動員対象となったかという過程を分析した。その成果を三浦周「近代における仏教青年会運動」(『佛教文化学会紀要』27号2018予定)にまとめた。
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