本研究では英語圏の(芸術写真史からは抜け落ちてきた、それぞれの地域や時代に固有な写真実践のことを指す)「ヴァナキュラー写真(vernacular photography)」研究の視点を取り入れ、日本の写真文化に対する新たな見方を提起した。本研究では1950年代の日本のアマチュア写真文化を考察するにあたっての理論的な参照項のひとつとして、英語圏の写真論・写真批評における「アマチュア写真」の位置づけについても分析したが、得られた知見については、編訳書『写真の理論』(月曜社、二〇一七年)の訳者解説に記した。
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