本研究課題では、日本人英語学習者を対象に、句構造規則違反文および意味違反文を読む際に、(1) 適格性判断課題、(2) 文法性判断課題、(3) 意味性判断課題の3種類のタスクを課し、特定の言語情報への注意の向け方を操作することで、違反の検出において求められる統語処理の自動化の程度や、学習者の初期統語解析時における統語処理と意味処理との関係性について熟達度別に検証した。実験の結果、日本人英語学習者は統語情報に注意を向けない限り、意味主導型の処理を行っており、それは学習者の統語処理機構が文読解時に起動していない、または効率的に運用することができないことに起因している可能性があることが示唆された。
|