本研究課題では、19世紀中葉の幕末期において、イギリス海軍およびアメリカ海軍がどのように日本近海測量を進めたのか、また、それに対して、徳川幕府を中心に日本はいかなる対応をとったのか、という点について考察を進めた。従来、「外圧」としてとらえられてきた測量活動であるが、欧米諸国にとっては、円滑な対日貿易のために欠かせない活動であったこと、また日本においても、欧米諸国との関係が深まるなかで、必要な科学技術として受容していく傾向のあったことなどを、日本、イギリス、アメリカの一次史料をもとに明らかにすることができた。今後は、明治維新以後も見据えて、研究を進展させていきたい。
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