本研究は、「人道主義」を、その「感性」および「女性のかかわり」といった観点から分析した。その結果、「人道主義」の言説や実践を規定する諸要因や、それへの具体的な女性のかかわりかたとその歴史的特質を明らかにすることができた。また、「人道主義」を近年研究が進む「フィランスロピー」との関係で考察した。「人道主義」にかんする研究は蓄積が進んでいるが、これらの点についてはほとんど言及されておらず、その発展に貢献することができた。また、「人道主義」を広範なネットワークのなかで把握しようとしたことも本研究の特色であり、重要な学術的意義と言える。
|