第二次世界大戦以降の景気循環論および,それを含むマクロ経済学は,戦後の30年間に生み出された諸理論によって出発したため,この期間の政治経済史,特に学問の中心であるアメリカの政治経済史を考察することによって,現代のマクロ経済学の歴史的背景を明確にすることができる。この目的に基づいて,1960年前後の政策論争が,フィリップス曲線(インフレ率と失業率の間に負の関係があることを示す曲線)の提示につながったことを明らかにした。 合わせて,この時代のマクロ経済学の背後にある様々な学問的変化を跡付けるために,20世紀半ばの計量経済学や,IS-LMモデルや経済成長理論などの歴史について,論文や記事を執筆した。
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