本研究では,金融政策の効果における「期待」が果たす役割を考察するために,コール市場において取引されている「翌日物」と「翌々日物」の差に着目した金融政策変数を作成した。 1995年以降の日次データを用いた実証分析の結果,非伝統的金融政策期を含む時期においても金融政策変数が株式市場に影響を与えていたことを確認した。但し,その効果は,ゼロ金利政策・量的緩和政策・量的質的緩和政策・マイナス金利政策の各時期によって異なる影響であった。特に,量的緩和政策・量的質的緩和政策によって,市場参加者の期待に働きかける効果があったことを確認した。
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