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2018 年度 実績報告書

伝統産業地域活性化のための創発的コラボレーションにおける媒介者に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K17129
研究機関長野県立大学

研究代表者

東 俊之  長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 准教授 (20465488)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード伝統産業 / 伝統産業産地 / 地域協働 / ノットワーキング / 伝統性 / 正当性 / 菌根 / 地域アイデンティティ
研究実績の概要

まず、これまで繰り返し調査を行ってきた栃木県益子町(伝統的工芸品「益子焼」産地)の調査結果を、共著『地域協働のマネジメント』(中央経済社)において執筆し、上梓した。そのなかで、協働しやすい環境、すなわり「菌根」(エンゲストローム, 2008)を整えることが必要になることを指摘し、伝統産業関係者や行政関係者よりも、NPO等の周辺者が「媒介者」となり、「制度的企業家」として地域の価値観を変化させるように働きかけることが必要であると言及した。そして、制度的な影響を受けやすい伝統産地だからこそ、エンゲストロームらが提唱する「ノットワーキング」の視点で協働を考えることが不可欠であると指摘した。
また、「産業集積としての伝統産業」について、文献調査を行い検討した。なお、事前の計画ではフィールド調査やアンケート調査を計画していたが、蓄積された既存研究が多くあったので、文献調査を中心に行った。伝統産業の産地は「現在産地で産出する製品が昔とだいぶ変わったとしても、産地の形成をみた江戸時代ないしそれ以前からの伝統がいまだ根強く産地の根底に残っているもの」(山崎, 1977, p.26)であり、「経営学の視点で議論する場合、一つの産業を中心に多くの関連業種で構成される地域的な広がり」(山田, 2013, p.2)として検討することが必要であると考えられた。
さらに、上述したように制度的な影響を受けやすい伝統産地において、制度的環境から正当性を得るためには「伝統」をマネジメントすることが必要であると考え、関連諸科学の研究成果を援用することによって、「伝統のマネジメント」について深く検討した。特に、伝統産業地域では、伝統工芸品の持つ「伝統」がブランド化の武器になるだけでなく、「伝統」が核となって地域アイデンティティが形成され、その結果、地域主体の協働が起こることを結論として指摘した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 「伝統のマネジメント」に関する一考察 ―伝統と正当性の関係を中心として-2018

    • 著者名/発表者名
      東 俊之
    • 雑誌名

      日本マネジメント学会第78回全国研究大会報告要旨集

      巻: 78号 ページ: 61-64

  • [学会発表] “伝統のマネジメント”に関する一試論 ―地域経営における“伝統”の創造・維持を中心に―2018

    • 著者名/発表者名
      東 俊之
    • 学会等名
      日本マネジメント学会 第57回中部部会(経営行動研究学会、経営哲学学会 合同部会)
  • [学会発表] 「伝統のマネジメント」に関する一考察 ―伝統と正当性の関係を中心として-2018

    • 著者名/発表者名
      東 俊之
    • 学会等名
      日本マネジメント学会 第78回全国研究大会
  • [図書] マネジメントの基礎 : 企業と地域のマネジメント考2018

    • 著者名/発表者名
      當間政義(著・編) 池田玲子(著) 仁平晶文(著) 水野清文(著) 藤木善夫(著) 清水健太 (著) 文載晧(著) 東俊之(著) Phung Dinh Trong(著)
    • 総ページ数
      194
    • 出版者
      五絃舎
    • ISBN
      978-4864340809
  • [図書] 地域協働のマネジメント2018

    • 著者名/発表者名
      佐々木 利廣(編著) 認定特定非営利活動法人大阪NPOセンター(編) 東俊之(著) 上野信子(著) 加藤高明(著) 塚本淳子(著) 堀野亘求(著) 真野毅(著)
    • 総ページ数
      236
    • 出版者
      中央経済社
    • ISBN
      978-4502268212

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公開日: 2019-12-27  

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