学術的意義:従来の日本人の異文化適応については,主に日本人の欧米文化への適応に焦点が当てられた。本研究は,日本人の東アジア文化内の文化適応の結果をもって,従来の東洋vs西洋に関する文化適応の理論を拡張・展開する契機となった。 社会的意義:グローバル社会の進展とともに,中国に長期滞在し,中国人とコミュニケーションを取らなければならない日本人が多い。本研究で実施した文化適応のトレーニングは彼らの中国人との対人関係の質の向上につながった。本研究の知見は,今後,日中間の人的交流のさらなる活発化に資し,日中両国の「草の根」の交流への貢献を期待することができる。
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