研究課題/領域番号 |
15K17325
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 九州大学 (2016-2018) 早稲田大学 (2015) |
研究代表者 |
山本 健太郎 九州大学, 人間環境学研究院, 講師 (30727087)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 時間知覚 / 感覚統合 / 因果性 / 予測性 / 身体動作 / 感覚結果 / 主体感 / 経験 |
研究成果の概要 |
本研究では,行為とそれに伴う感覚事象の時間的関係性に着目し,生起タイミングや時間間隔の知覚的変容を手がかりとして,感覚情報間の時間的統合の過程について心理物理学的手法を用いて検討を行った。その結果,入力装置や動作の違いに基づく感覚結果の予測や,行為と感覚結果の間の因果的関係性の認知が時間の認識に作用することが示された。また,知覚される時間と判断のばらつきとの間に関係性が示されたことから,事象間の時間情報の統合の基盤として,感覚間の手がかり統合が重要な役割を果たすことが示唆された。
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自由記述の分野 |
知覚心理学・認知心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
行為とそれに伴う感覚事象の時間的関係性は,因果関係の理解や,行為の主体感の生起に重要な要素の一つである。本研究では,時間の知覚的変容を指標とすることで,事象間の情報統合の仕組みや,装置や環境の違いによる因果認知の変化に関して基礎的な知見を集積することができた。行為に伴う時間感覚の変容は,主体感の定量的測定手法として認知心理学の分野だけでなく,生理学や運動科学,精神医学の分野などでも注目されており,その仕組みの一端が明らかとなったことは学術的・社会的に大きな意義を持つと考えられる。加えて,それらの知見を国内外の学会や書籍を通じて発表し,社会的還元にも努めた。
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