研究課題
若手研究(B)
主にK3曲面と非常に関係の深いエンリケス曲面上の自己同型の幾何学について、次の研究を行い、研究集会や論文での発表を行った。1.II型エンリケス曲面の新しい射影モデルとモジュライ空間の記述について。2.エンリケス曲面上の無限位数自己同型の力学的次数について。3.エンリケス曲面上の位数4の対称性について。
代数幾何学
K3曲面やエンリケス曲面の自己同型は、1970年代に始まり現代にいたるまで、たくさんの研究者の興味を惹きつけてきた。その理由は、これらの曲面に対するトレリ型定理をはじめとする非常に抽象的な理論が、射影モデルや自己同型の記述といった非常に具体的な結論を導くという、大きな枠組みの魅力にあると感じられる。今回の一連の研究においても、この視点を押し進めて、エンリケス曲面上の自己同型を抽象的な格子理論で統制する様々な現象を記述することができた。