QCDや物性系などの強結合系の物理で、第一原理計算が最も困難なものは何であろうか?その一つは非平衡現象である。 その非平衡現象の理解は様々な場面で重要になる。例えば、RHICやLHCなどの重イオン衝突実験では系は本質的に非平衡になる。また、物性物理においては、強力なレーザーを用いて相転移現象を自在に制御すること(光誘起相転移)が大きな目標の一つになっており、冷却原子系やモット絶縁体などの非平衡過程の実験が最近盛んに行われている。本研究では、重力理論での計算を通して非平衡物理を解析する一つの道を開いたことになる。
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