本研究課題では、van der Waals密度汎関数(vdW-DF)法に基づく第一原理計算手法の開発と、vdW相互作用が重要と考えられる表面吸着系の電子状態および表面構造の理論的解析を行った。まず効率的なアルゴリズムに基づくvdW-DFの実装を行い、Si(100)表面におけるベンゼン吸着構造を解析した結果、近年提案されたvdW汎関数はすべてtight-bridge構造を支持し、vdW補正を考慮した手法間の矛盾が解決されることが分かった。次にナフタレンを担持したグラフェンの鏡像状態の解析を行い、ナフタレン単分子層に誘起した鏡像状態とグラフェン由来の鏡像状態の混成状態が出現することを明らかにした。
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