フェルミオン系やスピン系などの量子多体系の基底状態に対して、主に数理物理的な観点からアプローチし研究を進めた。特に、1.相互作用や乱れのある系におけるトポロジカル相、2.空間変調した1次元量子系の代数的解析、の2つのテーマに関する研究を行った。1.については、相互作用のあるKitaev鎖の基底状態、乱れのあるトポロジカル絶縁体・超伝導体、量子トライマー模型について成果を挙げた。2.については、1次元連続空間中の自由フェルミオン系および共形場理論のサイン二乗変形について、いくつかの厳密な結果を得ることに成功した。その他に、可解スピン鎖の基底状態におけるエンタングルメントについて結果を得た。
|