申請者はシクロヘキシル部分にエステル基を側鎖として有するホスラクトマイシンI-jをターゲットにした。キレーションコントロールおよび不斉水素移動反応を利用して合成したC8-C11セグメントに対してEvansアルドール反応により2つの不斉中心を構築した。その後不斉補助基を除去した後,安藤らにより報告されたZ選択的なHWE反応を用いて不飽和エステルを得た。その後,前年度合成したシクロヘキシル部分をカップリングして全ての炭素骨格を構築した。続いて,不飽和エステル部分はチタン触媒による環化反応を行って構築した。最後に,この化合物に対してリン酸基とアミノ基を順次導入して全合成を達成した。
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