ワクチンは,重篤な疾患の予防のみならず,がんの予防および治療にも有用であることから,近年では着目されている.従来の弱毒化した抗原では,疾患を誘発することに加え,がんの治療においては困難である.そこで,ワクチンの輸送試薬の開発が求められている.申請者は,抗酸化作用を有するとともに薬剤輸送能を有するフラーレンナノ構造に着目した.申請者は,化学修飾したフラーレン誘導体ライブラリを構築し,種々のナノ構造体の制御を行った.液液界面析出法を用いて様々な構造体を調製した.これらナノ構造体の一部は,細胞の足場材料として展開した結果,毒性を示さないことを明らかにした.ワクチン応用へ向けた生物実験へと展開している
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