本研究の目標は、酸素、水素、一酸化炭素、二酸化炭素などのガス分子の核磁気共鳴(NMR)の検出感度を劇的に上昇させることである。NMRの検出感度の向上させる方法として、核スピン超偏極法を選択し、金属イオンと有機配位子が自己集合で組み上がる多孔性配位高分子の細孔を核スピン超偏極の場として注目した。(1) 多孔性配位高分子の空隙に取り込んだガス分子のダイナミクス、及びに(2) 多孔性配位高分子の空隙を利用した核スピン超偏極に取り組んだ。空隙内の二酸化炭素の特異的な運動状態を発見し、多孔性配位高分子の骨格の水素から二酸化炭素の炭素に磁化を移すことに成功した。
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