本研究は,高速超音波切削技術により,難削材加工の高品位化・高効率化,切削面への規則テクスチャを創生する加工技術の構築を目的に行われた.はじめに,難削材である,電磁ステンレス鋼(K-M38)に対し,高速超音波切削を行い,切りくずの処理性の向上,加工面への規則テクスチャ創生を認めた.また,これによって得た規則テクスチャ面の摩擦試験を行った結果,平均摩擦係数,最大摩擦係数ともに通常の切削面に比べ低減することを確認した.続いて,難削材として知られる,チタン合金の高速超音波切削試験を行った.その結果,びびり振動の抑制,工具摩耗低減,比切削抵抗の減少といった効果を認め,規則テクスチャ加工の実現を確認した.
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