研究課題
高度経済成長期に世界で供給が試みられた一団地型集合住宅は、近年維持管理の課題が表面化している。アフリカ都市においては、同じころ、欧州の影響が大きい時期に建設された近代的集合住宅団地が活発に住まわれている。本研究では、アフリカ都市の近代的集合住宅団地の建築計画、材料・構法の実態を明らかにした上で、国内で検討されている更新手法を参照した上で、現地の環境条件に適した実務的な更新手法について検討した。①ルサカ、ダカール、アクラを事例対象地とし、各都市の初期の集合住宅団地において実地調査を行った。住宅供給機関、住人組織リーダー、大学、役所を訪問して、建築計画、材料・構法、住人組合の運営、管理体制、所有の状況を明らかにした。②ルサカの集合住宅団地において、劣化が発生しやすく、躯体耐久性に影響の大きい外壁塗装、屋上防水、鋼製手すりに着目し、外観目視により劣化状況の把握を行った。外壁塗装に関しては、修繕状況の視察や住人組織リーダー、建材店への訪問をもとに、修繕の選択肢、職人の技術レベル、組織体制等、費用の整理を行った。③ルサカの集合住宅団地の1つの住人組織において、リーダーと施工業者と外壁修繕に関わる意見交換をおこない、現地で入手可能な材料について、物理的、社会的な限界を整理した。また、検討した更新方針について、住宅供給機関にも関わる大学研究者、該当団地の政治家との意見交換を行い、実施可能性を把握した。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
日本建築学会計画系論文集
巻: Vol. 82, No. 741 ページ: 2751-2757
10.3130/aija.82.2751