海馬歯状回において苔状細胞と顆粒細胞が形成する興奮性シナプスでのCB1受容体の活性化がてんかん発作を抑えることが知られていた。しかし、その機構の詳細は不明である。本研究では、苔状細胞-顆粒細胞シナプスにおける長期のシナプス可塑性が抗てんかんに寄与する可能性の検討を行った。電気生理学および光遺伝学的手法によって、苔状細胞-顆粒細胞シナプス応答を記録し、様々な刺激条件を検討した。その結果、長期抑圧と長期増強という二つの相反するシナプス可塑性を見いだした。特に長期増強においてはシナプス前部でのcAMP/PKAシグナルが必須であることを明らかにした。今後てんかんとの関連を調べていく予定である。
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