GRWD1はDNA複製だけでなく、細胞周期を統合的に制御していると考えられる新規ヒストンシャペロンである。このGRWD1の結合候補因子として、核小体因子RPL11を同定した。RPL11は、低用量アクチノマイシンD処理や低栄養状態時に核小体が崩壊すると核へ放出され、ユビキチンリガーゼMDM2の酸性ドメイン近傍に結合することでその機能を抑制し、腫瘍抑制因子p53の安定化を誘導することが知られている。解析の結果、GRWD1はRPL11とMDM2の結合を競合的に阻害し、核小体ストレス時のp53誘導に抑制的に働き、その結果、発がんに関与することを発見した。
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