果皮が赤色で果肉が無着色のブドウ「紅高」から、果皮アントシアニン高含有(黒色)で果肉も着色する「ブラジル」への変異機構を解明するため、両品種の着色遺伝子領域のDNAメチル化レベルを解析した。「紅高」果皮と果肉のメチル化レベルは「ブラジル」よりも成熟期を通して明らかに高く、着色関連遺伝子群の遺伝子発現量は果皮、果肉ともに「ブラジル」で著しく高くなっていた。このことから、「紅高」から「ブラジル」が生じた原因は「紅高」果皮、果肉組織の着色遺伝子領域のメチル化レベルが著しく低下したことで、「ブラジル」果皮、果肉における着色遺伝子の発現量が増加し、アントシアニン合成系の活性が高まったためと考えられた。
|