本研究では、放射性同位体トレーサー法と連続凍結切片法を組み合わせることにより、米内部における重金属および微量必須元素の三次元分布を網羅的に可視化することを目指した。カドミウムと亜鉛については開花から登熟完了までの種子内部における元素動態を可視化した。カドミウムと亜鉛はともに登熟中期に胚乳中央部に高濃度に集積するが、亜鉛濃度が登熟期に低下する一方、カドミウムが胚乳中に残留する現象が確認された。これら2元素に加え、ショ糖、鉄、マンガン、鉛、コバルト、ニッケルについても動態解析法を確立し、現在詳細な解析を進めている。
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