本研究では高い基質特異性と安定性を備えた新規D-アミノ酸酸化還元酵素を見出すことを目的とした。まず、秋田県内外の温泉土壌から、栄養源・pHを変えて好熱菌の培養を試み、10種の菌叢と84株の好熱菌株を得た。これらを対象に活性染色法による目的酵素活性の検出を試みたが、活性は検出されなかった。加えて、Geobacillus kaustophilusのゲノムデータベース上に見出した推定D-アミノ酸脱水素酵素遺伝子の機能解析を行った。本遺伝子の組換えタンパク質はD-プロリンを始めとする7種のD-アミノ酸に酸化還元酵素活性を示すことを見出したが、その活性は非常に低く、目的酵素の獲得には至らなかった。
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