海浜生の絶滅危惧植物数種における発芽・定着機構を明らかにし、その効果的な域内保全・域外保全の方法を提言することを目的に、環境省レッドリストに挙がっているイソスミレなどを主な対象に、種子発芽試験のほか、フェノロジーの観察やベルトトランセクト調査などの野外調査を行った。その結果、種子の休眠・発芽特性、埋土種子形成能力、海流散布能力、発芽・初期成長における堆砂耐性、種子保存の可能性、砂質海岸の汀線-内陸傾度における出現位置など、絶滅危惧海浜植物の域内保全・域外保全に係る具体的方法の立案ならびに留意事項の整理に役立つ有益な知見を得ることができた。
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