心血管系の組織は様々な負荷に対して、自身の機能を一定に保つために構造や形態を変化させる(リモデリング)。しかしながら負荷が慢性化し、組織構造の変化が過度に起こると組織の機能は破綻し様々な病態を引き起こす。今回、我々は心臓や血管の病的なリモデリングにおけるプリン作動性受容体P2Y6Rの役割について検討を行った。特に血管において、P2Y6Rは血圧調節に関与する生理活性ペプチドであるアンジオテンシンIIの受容体AT1Rと複合体を形成し、加齢に伴うP2Y6R-AT1R複合体の増加が高血圧を誘導することを見出した。本研究成果は、加齢高血圧による心血管リスクの予防・治療法開発への貢献が期待される。
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