生薬は、栽培条件で含有する成分量が変わることが知られており、高品質な生薬を作るためには、薬用とする部分での薬効成分の含有量を確認する必要がある。しかし、生薬トウキについては薬効成分が明確にされていないことから、薬効に関わる成分の解明を試みた。その結果、栽培条件でトウキに含まれる成分が変動することが確認され、これまで指標とされていた主成分であるリグスチリドの含有量とトウキの薬効である末梢血流量の改善効果が必ずしも比例しない可能性を明らかにした。また、アデノシンの含有も確認し、この末梢血流量の改善効果を調べたところ効果がみられたため、トウキの効果にはこのアデノシンが関与する可能性が示唆された。
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