情報の乏しいα線またはβ線放出核種の食品の実態調査のために、食品中の分析法の検討を行った。β線放出核種トリチウムに関して、様々な食品モデルを用いた分析法検討を行い、トルエン共沸蒸留で自由水を単離し、液体シンチレーション法で測定する手法が、回収率・感度・精度・簡便性に関して有効なことを示した。α線放出核種ポロニウム210に関しても同様の検討を行い、多くの食品種の試料調製法として直接ステンレス板電着法が有効なことが示唆された。また、これら分析法を用いて実態調査を行ったところ、ポロニウム210では一部の魚で放射能を検出したが、トリチウムに関しては全て検出限界値未満であった。
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