インスリン分泌促進薬の薬効に関する個人差および薬剤抵抗性に着目し、その要因を探索するとともに、薬剤選択法および薬物療法設計法について検討した。 薬剤抵抗性の要因としては、LDLの細胞内蓄積による膵β細胞のアポトーシスが知られている。LDLの取り込みに関与するLDLRやPCSK9の動態に与える薬剤の影響を解析した結果、一定条件下ではPCSK9分泌量が上昇するが、臨床的条件下では影響は小さいことが確認された。個人差の要因解明として各種成分の生体内濃度の分析法を構築し、インクレチン分泌能との関係について検討したが、最適なモデルの構築には至っておらず、血液中成分の網羅的分析について検討を進めている。
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