本研究では、生理活性脂質LTB4と免疫応答の関わりを明らかにし、その受容体BLT1を免疫疾患の新たな創薬標的として提起することを目的として研究を行った。その結果、BLT1の新規結合分子としてRAGEを同定することができた。RAGEは糖尿病やアテローム性動脈硬化、アルツハイマー病など、様々な慢性炎症疾患と関わりがあり、また、RAGEは、加齢依存的に発現上昇することが報告されており、加齢依存的にBLT1シグナルが増強される可能性も考えられる。RAGEを阻害することでLTB4-BLT1経路を抑制することができれば、炎症部位への遊走などを止められる可能性があり、新規の創薬標的となりうるだろう。
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