申請者は膵発がん時の分化異常(胃上皮分化)に着目し、胃上皮細胞接着分子CLDN18と転写因子EVI1の高発現、EVI1-miRNA96-KRAS axisを同定し、膵発がん過程の解明をこれまで進めてきた。これに基づき本研究では、膵発がんのbiologicalな背景の解明をEVI1を軸に行い、発がん促進サイクルの一つとしてEVI1-miRNA96-Glypican-1 axisを同定した。また、膵がん細胞と膵前がん細胞のmiRNA発現の比較により、発がん時に包括的変動を示すmiRNA群の解析を進める基盤を作った。本研究の成果は、未解明な部分の多い膵発がん過程を明らかにする重要な結果である。
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