病原真菌カンジダは免疫不全患者において重篤な日和見感染症を引き起こす。カンジダ種の中でもカンジダ・グラブラータは、患者からの分離頻度が年々増加し問題となっている。本研究では、宿主細胞への腸管粘膜からの感染機構の解明を目的として、宿主細胞への腸管への付着に必要な因子の探索を行なった。遺伝子欠損株ライブラリーをマウスに口腔摂取後、腸管からの菌体の回収し、次世代シークエンサーにより、腸管への付着率が低下する株を選別するスクリーニング系を構築した。付着因子の同定までには至らなかったが、スクリーニングの過程で有用な抗真菌剤の標的因子となりうる病原因子として、エルゴステロール合成酵素の一つを同定した。
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