血管内皮細胞は、全身をめぐる血管の最内層にある細胞で、一酸化窒素(N0)やエンドセリンなど数多くの血管作動性物質を放出しており、血管壁の収縮・弛緩をはじめとして、血管壁への炎症性細胞の接着、血管透過性、凝固・線溶系の調節などを行っている。この血管内皮機能は、高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満に加え、近年問題となっているメタボリックシンドローム(MetS)によってもその機能が低下することが知られている。血管内皮機能の低下を早期に発見することができれば、動脈硬化および重篤な心血管・脳血管疾患を未然に防ぐことが出来るため、非常に重要な課題である。
|