本研究では、独自に開発された熱蛍光薄膜体(TLDシート)を用いて、被ばく線量も含めた患者線量分布の測定・評価を行うことを目的とした。TLDシートは、1) 80 kVから6 MVのX線エネルギーに対してエネルギー依存性が非常に小さいこと、2) 上述のエネルギー領域において0.01 Gyから20 Gyの線量に対して、線量応答の直線関係が保たれることが明らかとなった。これらの結果から、診断・治療で用いられる幅広いエネルギー領域において、被ばく線量まで含めた患者への線量分布の測定がTLDシートによって可能であることが示された。
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