研究課題
一般的に放射線治療の患者セットアップには皮膚マーカが用いられる。しかしながら、皮膚マーカは手足の位置の違いや皮膚のたるみによって簡単に動いてしまい、体軸の傾きや捻じれの補正には限界がある。そこで、申請者は新たに治療時の患者体位から得られるX線画像をスキンドメッシュアニメーションによって仮想的に生成し、皮膚マーカの基準となる疑似X線画像(DRR)と比較できるシステムを提案した。H28年度では仮想X線画像生成システムを構築し、これまでに研究開発されたシステムとの統合化と総合試験の実施を目指した。仮想空間上に配置した3次元(3D)メッシュモデルを任意の方向から投影することで仮想X線画像を生成した。仮想空間と実際の放射線治療室の空間座標は対応付けられており、仮想空間上のアイソセンタ位置を基準としてガントリ回転軌道上から3Dメッシュモデルを投影することでDRRと直接比較可能な仮想X線画像が生成できる。3DメッシュモデルはH27年度に構築したシステムから生成される。人体を模擬したファントムを使用して総合試験を行った。仮想骨格データと3Dメッシュモデルの位置合わせ精度は5mm程度であった。また、距離画像センサの精度範囲内で仮想X線画像を生成可能であることを確認した。DRRと比較できる仮想X線画像をリアルタイムに生成することに成功した。本システムを使用することで高精度な患者セットアップを被ばく無しに行える。仮想X線画像の精度を向上するには距離画像センサで取得される仮想骨格データの認識精度を上げる必要がある。
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International Journal of Medical Physics, Clinical Engineering and Radiation Oncology
巻: 6 ページ: 31-35
10.4236/ijmpcero.2017.61004
Japanese Journal of Radiology
巻: in press ページ: in press
10.1007/s11604-017-0630-2