Kruppel-like factor 5 (KLF5)は細胞増殖や血管新生を調節する転写因子である。合成レチノイン酸αの特異的アゴニストであるAm80はKLF5の発現を抑制する。今回我々はマウス腹膜線維症モデルでのKLF5の発現を調べ、Am80投与による腹膜線維化抑制効果について検討した。chlorhexidine gluconate (CG)の腹腔内投与により腹膜線維症モデルマウスを作成し、CG開始と同時にAm80の経口投与を連日行った。研究の結果、腹膜線維症モデルにおけるKLF5の関与が示唆され、Am80はKLF5の発現抑制を介して腹膜線維化の抑制に有用な可能性が示唆された。
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