気管支喘息患者は新型インフルエンザA(H1N1)pdm09感染の際、呼吸器症状が重症化しやすい。その機序の解明と治療法の確立を目的として研究を行った。喘息モデルマウスに新型インフルエンザを感染させると、感染3日目に気管支肺胞洗浄液中の炎症性サイトカインおよびウイルス力価がピークに達し、肺病理組織で著明な炎症細胞浸潤と組織破壊を認めた。これは非喘息マウスや季節性インフルエンザ感染群と比べて顕著だった。喘息は新型インフルエンザ感染における増悪因子であり、感染初期に急速なウイルス増殖と過剰な炎症反応をもたらすと考えられた。さらに現在、治療介入群を含めた肺機能および気道過敏性の検討が進行中である。
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