小児急性リンパ性白血病(ALL)は近年の層別化治療により治療成績は大幅に向上した。しかし、約20%の症例が再発し、再発例には既知の予後不良因子(Philadelphia染色体)を持たない例が存在する。我々はJAK2 遺伝子変異とCRLF2 の高発現を伴う再発細胞株2株を樹立した。この2株は、抗がん剤と酸化ストレスに極めて強力な抵抗性を獲得していた。またCRLF2はTSLP受容体として働き、JAK-STAT系を介してシグナル伝達すると考えられている。本研究においてJAK2を中心とした機能解析を行い、CRLF2高発現株においてはTLSPレセプターが協調して、悪性化を促進していると示唆された。
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