縮毛症は毛髪奇形の一つであり、毛髪分化異常が原因と考えられている。本研究では、縮毛症マウスのkaratin71 (Krt71) の新規変異について、変異が毛包の形態、機能に及ぼす影響を解析し、縮毛症の発症機序を明らかにすることを目的とした。走査型電子顕微鏡を用いた観察では、縮毛症マウスの毛髪は野生型に比べ細く波打った形態を示した。縮毛症マウスの皮膚を用いて行ったKrt71の免疫組織化学染色では毛包自体に波打ち像が観察された。また、毛幹を同心円状に取り囲むべき内毛根鞘の厚みに不均衡が観察された。以上より、Krt71変異により生じる毛包の形態異常が縮毛症発症において重要であることが示唆された。
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