研究課題/領域番号 |
15K19710
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
冨田 哲 弘前大学, 医学研究科, 助教 (90736365)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | TCI / MADRS |
研究実績の概要 |
昨年に引き続き治療効果と諸因子の関連についてデータ解析を中心に行った。 第3報では、うつ病治療反応を見る際に、一般的に治療重症度の指標として用いられるMontgomery-Asberg Depression Rating Scale (MADRS)の下位項目に注目した。結果、初診時におけるreported sadness (RS)およびconcentration difficulties (C)の下位項目が最終的な治療反応に関連していることが明らかとなった。さらに、RS得点においては最終治療反応を予測するカットオフ値についても報告した。これにより、パロキセチンを用いたうつ病患者の治療において、治療開始時点の症状から治療抵抗を予測し、他剤の使用や併用療法などの早期導入を検討すべき指標を生み出すことができた。 第4報では、既報にある、治療反応を予測しうるTemperament and Character Inventory (TCI)の中の7項目において、何項目が該当すれば治療反応を予測するかについてさらに詳細に検討を行ったものを報告した。結果、4項目をカットオフ値とすることがもっとも有益と考えられ、その旨報告した。 以上により、治療者が評価する客観的な症状という側面、およびTCI患者自身が評価し報告するという側面、これら双方向性の評価で治療反応を判断するというあらたなモデル構築への一要素を加えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析および報告が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
申請書およびプロトコルにのっとった治療を継続していく。 引き続きデータ解析、論文化し国際誌に発表していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は新たに解析に要するソフトウェアやパソコンの購入を要したが、物品費は当初の予定よりも低額に抑えられたため、差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度のため英文投稿のための校閲費、掲載費、また発表のための学会参加費などに使用される。
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