放射線治療では、治療後の浸潤、転移をいかに抑制できるかが重要である。申請者らは、PANC-1細胞は放射線を受けた後、浸潤細胞の数が増加することを見出した。そこで本課題では、①放射線照射後に生き残り、高い浸潤能を示す細胞の特徴をリアルタイム観察像から解析し、②これら放射線抵抗性浸潤細胞は、元々浸潤能が高かったのか、もしくは照射後のストレス応答の過程で浸潤能を獲得したのか調べた。その結果、PANC-1には元々浸潤能が高い集団が存在し、放射線に抵抗性であったため放射線照射後に選択的に生き残ったことが示唆された。またグルタチオン合成阻害剤により、この集団の浸潤能を効率良く抑制できることを見出した。
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