In vitro実験でがん細胞における[1-11C]酢酸は取り込み後早期では主に水溶性物質へと代謝されるが、その後時間の経過と共に水溶性代謝物の割合が減少し、脂溶性代謝物の割合が増加した。[1-11C]酢酸の細胞内への取り込みおよび脂溶性物質への代謝の増加にグルタミンの存在が関与していることが示唆された。新規に合成を行った[カルボニル-11C]メチルピペリジル-4-アセテート(MP4A)が、既知の[1-11C]酢酸の前駆プローブと同様に脳内に素早く取り込まれた後[1-11C]酢酸へと変換されると示唆されたことから、[1-11C]酢酸の前駆プローブとしての有用であることを確認した。
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