循環腫瘍細胞(CTC)のヘテロ性が近年注目されてきている。本研究の目的は上皮系マーカーだけに頼らずEMTマーカーにも注目し、周術期におけるCTCの予後予測マーカーとしての臨床的意義を検討することである。胃癌患者54人の抹消血を術前、術後1週間、1か月、6か月に採取し、MACS法、蛍光顕微鏡を用いサイトケラチンやNカドヘリンを発現する細胞をCTCと定義した。術前にCTCを認め、術後1週間あるいは1か月目のCTC個数が術前以上に認めた症例は、術後にCTC個数が減少する場合や術前にCTCを認めない場合に比べ再発率が高かった。周術期のCTCを測定することは再発を予測するマーカーとなり得る。
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