腫瘍内血流の不均一性やそれに起因する低酸素領域は癌の悪性度や浸潤・転移能と関連するとされている。純粋な腫瘍内血流を評価できる造影超音波検査は癌の悪性度を簡便に評価できる可能性があると推察される。薬物療法奏功例に関しては腫瘍縮小と同時に腫瘍内血流の均一化を認めた。 乳癌の病理学的背景と腫瘍内血流の関連を解析し、エストロゲンレセプターの発現が陰性の症例においては腫瘍内血流の不均一さを多く認めた。エストロゲンレセプターの発現は治療標的となる可能性があるため、治療効果が超音波検査所見と関連する可能性が示唆された。
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