食道癌細胞株を用いて、オートファジーの状態に合わせた新たな治療体系の確立を目標に実験を進めた。オートファジーの中心遺伝子であるATG7発現の食道癌組織における低下は、オートファジー抑制や予後悪化と関連する事を確認し、ATG7発現とオートファジーの回復が、細胞内のp62選択的分解により低下する事を確認した。これにより、細胞保護因子であるNrf2の分解促進や不安定化が、抗がん剤などの刺激への抵抗性やがん細胞の弱体化・予後などに与える影響を検討中である。またAQP5分子の分解へのオートファジーの関連の可能性が高まり、肝細胞癌におけるオートファジーによる選択的分解と抗腫瘍効果を確認し報告を行った。
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