「心の理論」機能の局在を明らかにするために、覚醒下脳手術を行った右前頭葉グリオーマ15症例において、心の理論タスクによるマッピングデータを収集した。マッピングと機能局在に関して、複数症例において皮質及び皮質下に再現性のある心の理論タスクの遂行困難な領域を確認し、仮説であった心の理論と関連する白質神経線維束Aとの存在が疑われるマッピング結果が得られた。さらに、術前後の経時的な心の理論の検査結果ならびにボクセル単位脳形態学的解析の結果から、右前頭葉手術において白質神経線維束Aが解剖学的に温存された場合、心の理論の維持・改善が期待できることがわかった。
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