本研究では関節液中に存在し軟骨変性を誘導する因子を探るために、関節裂隙狭小化が進行している膝関節と狭小化が生じていない膝関節から得た関節液を比較検討した。初年度は進行例と非進行例からの各16検体についてタンパク解析を行った結果、MMP-1とMMP-3の濃度が進行群で有意に高いことが明らかになった。第二年度には関節液中に存在するエクソソームのmiRNAを解析した結果、進行群でmiR-21とmiR-150の濃度が有意に低いという結果が得られ、同じ32例のOA関節から滑膜組織を解析した結果、MMP-1、3とmiR-21、miR-26a、miR-150の発現の間に有意な負の相関があることが確認された。
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