前立腺癌のマイクロRNA発現プロファイル、および機能解析から、miR-29a/b/cが、癌細胞の遊走や浸潤を制御している事を見出した。更に、これらマイクロRNAが制御する転移促進遺伝子を探索した結果、Lysyl Oxidase Like 2(LOXL2)を見出した。LOXL2は、コラーゲンの生合成に関与する遺伝子であり、細胞外マトリックスの肥厚化に関与している。細胞外マトリックスの異常は、癌の転移に関与している事が報告されている。LOXL2の発現を免疫染色法で調べた結果、前立腺癌細胞で高発現している事を認めた。癌細胞でLOXL2をノックダウンすると、前立腺癌細胞の遊走や浸潤が顕著に抑制された。
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